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聖なる経済学 – 感謝とギフトの経済へ:チャールズ・アイゼンシュタイン

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聖なる経済学 – 感謝とギフトの経済へ

現代人は無意識に全てをお金として捉える価値観に毒されています。
経済的価値でしかものを見ていないから、「集団自決」という言葉が自然と出るのだと思います。
この経済学者はハッキリと言ったから叩かれていますが、
自然とそういう考え方(「今だけ、金だけ、自分だけ」)
をしている人が社会にはたくさんいると思います。

最近お金について考える機会があり、以前自然農を実践している方から
ギフト経済を提唱しているチャールズ・アイゼンシュタインのことを聞いたことを思い出しました。

チャールズ・アイゼンシュタインのギフト経済の主張については
この短い動画に上手く要約されています。

私たちの社会はお金により、以前はつながりにより保たれてきた目に見えない豊かさが、
全てお金を介するコモディティ、サービス化され、お金がないと生きていけなくなり、
互いの役に立つためではなく、お金を得ること自体が目的化し、
結果目に見えない豊かさを失っています。
それを再び神聖化しよう、人々のつながりを取り戻そう、というのが主な主張です。

聖なる経済学(原題:Sacred Economics)はギフトとして無料で公開されています。
ここから読むことができます。

ギフトというのは無料を意味するのではなく、気持ちよく与え合うことを促進することが本意です。
チャールズ・アイゼンシュタインのワークをサポートしたいと思ったら著者のHPより寄付ができます。
私も当時本代と思って10ドルを寄付したら、
「Thank you for your gift!」と返事が帰ってきたのを覚えています。

以前有志による日本語翻訳版が公開されていましたがHPがなくなっていました。
探したらWeb Archiveに残っていました。

聖なる経済学- epub形式

epub形式はkindleやiPadで読む形式なのでpdfへの変換は以下のサイトで簡単にできます。

アマゾンに載っていた紹介文です。

「聖なる経済学」は、古代の贈与経済から現代の資本主義まで、貨幣の歴史をたどり、貨幣制度がいかに疎外、競争、欠乏につながり、コミュニティを破壊し、無限の成長を必要としてきたかを明らかにします。しかし、その崩壊をきっかけに、私たちはよりつながりのある、エコロジカルで持続可能なあり方へと移行する大きな機会を見出すことができるかもしれません。

本書は、この移行を具現化するために、貨幣制度がどのように変化しなければならないか、そしてすでに変化しつつあるのかについて書かれています。理論、政策、実践を幅広く統合した「聖なる経済学」は、マイナス金利通貨、地域通貨、資源ベース経済、贈与経済、コモンズの回復など、新しい経済学のアバンギャルドな概念を探求しています。著者のチャールズ・アイゼンシュタインは、この移行を個人的な側面から考察し、「正しい生活」に関心を持つ人々や、お金に支配されたように見える世界で自分の理想に従って生きる方法について話しています。本書は、従来の経済思想の豊かな系譜を踏まえ、独創的でありながら常識的、過激でありながら穏やかな、そして文明の危機が深まるにつれますます重要になるビジョンを提示しています。

Sacred Economics: Money, Gift, and Society in the Age of Transition

読み返していないので紹介にとどめますが、お金が社会にどんな影響を及ぼしているのか、
そしてどうしたらよりよい社会を創造することができるのかを示した良書です。
海外ではギフト経済のバイブルになっているようです。
もしテーマに興味があればぜひ読んでみてください。

以前聞いたことがあるギフト経済の実践例で、ロックスターのジョン・ボン・ジョヴィが
運営しているソウル・キッチンというレストランがあります。
(ここではボン・ジョヴィはイルミナティだから偽善じゃないのか、というのは議論しません)

 メニューには、料金は表示されていない。代わりに目安となる寄付額(現在20ドル)が伝えられる。食事をした後、自分の食べた分に加えて誰かのために支払う「pay it forward」で寄付をすれば、お金を払えない客をサポートすることができる。お金のない客は、自分や家族の食べた分を払う代わりに、店内でボランティアとして働く。人と人との信頼で成り立つシステムであり、食い逃げは想定していないとジョンはピープル誌に語っている。

ジョン・ボン・ジョヴィのレストラン、困窮者に無料の食事 払える人が「Pay it Forward」

海外だと持っている人は社会のために還元する義務があるという
ノブレス・オブリージュという考え方があり、寄付が文化に根付いています。

ノブレス・オブリージュ(noblesse oblige)とは、貴族や上流階級などの財産・権力・地位を持つ者は、それ相応の社会的責任や義務を負うという欧米社会に浸透した道徳観のこと。フランス語のnoblesse(貴族)とobliger(義務を負わせる)を合わせ「高貴たるものの義務」を意味する言葉である。英語では「noble obligation(ノーブル・オブリゲーション)」という。

中略~

日本でも有名人や経営者などが寄付やボランティア活動に積極的に参加する例は見られるが、「日本は寄付文化が根付かない」と言われるように、欧米ほどノブレス・オブリージュは浸透していない。

日本は、流動性資産100万ドル(1.1億円)以上を持つ人がアメリカに次いで世界で2番目に多いが、寄付額のGDP比はアメリカが1.55%、イギリスが0.47%に対し、日本は0.23%にとどまっている。またCAF World Giving Index 2021によると、寄付額・ボランティア参加・支援活動の3つの項目から測った日本の社会貢献指数は114カ国中最下位だった。(2021年)

これは歴史文化の違いや、寄付に対する税制度がアメリカほど整っていないなどの社会的背景も要因となっており、日本人の社会貢献意識が著しく低いという訳ではない。

ノブレス・オブリージュとは・意味

日本でも最近だと子ども食堂が色々なところにあるそうですね。
つながりを取り戻しましょう。

私たちの心が実現できると知っている より美しい世界

聖なる経済学の次作となる著作です。2013年の出版当時に読みました。

チャールズ・アイゼンシュタイン「心の中に確かにある 実現可能なより美しい世界」

こちらも全部ではありませんが翻訳してくださっているのを紹介します。

調べてみるとチャール・アイゼンシュタインの翻訳を他にもしてくださっています。
もし内容に共鳴したら他の物も読んでみてください。

チャールズ・アイゼンシュタインの日本語字幕付きの動画

私は上記2冊とそれ以前の著作を読んだことがあるだけなのですが、
今調べてみたらいくつも日本語字幕付きの動画が出てきました。
目に見えないものを大切にし価値を見出すことがこれからますます大切になるに違いありません。
今起きているのは古い物語の崩壊と(古くて)新しい物語の復興です。
そのヒントが沢山詰まった動画ばかりだと思います。

【日本語字幕選択可】チャールズ・アイゼンシュタイン 「測りえないものの喪失」

【日本語字幕選択可】チャールズ・アイゼンシュタイン「もし私が あなただったら…」

チャールズ・アイゼンシュタイン 「人々の新しい物語」日本語字幕付き

短編映像「気候:新たなる物語」(日本語字幕)

短編映像「一族の集い」(チャールズ・アイゼンスタイン)

エンデの遺言 ~根源からお金を問う~

エンデの代表作「モモ」で灰色の男たちが出てきて人々に時間を預けさせ、
その結果人々が忙しくなってつながりを失う情景が描かれていますが、
時間とはお金の比喩だと言われています。

映画「モモ」


エンデの遺言 ~根源からお金を問う~


続エンデの遺言 坂本龍一 銀行の”未来”


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